伝統と健康食

お漬物は保存性が高い漬け方のものと、旬の時期にから少しの期間にのみ味わえ『四季』を感じていただけものがございます。当店では、素材にあった『旬』を大切にし、その時期に一番美味しいものをお奨めしております。
季節ごとに様々に変わるお漬物の縄文時代に大陸から野菜の栽培法が伝わったのと同時に野菜の保存方法として漬物が伝わり、室町時代になるとお漬物は香り高さから「香〔こう〕のもの」と呼ばれるようになり、食事としてはもちろん茶道や香道の席で口直し・嗅覚を整えるものとしても用いられていました。
のちに、お漬物の事を「お新香〔しんこ〕」と呼ぶようになりました。

もともと昔は冷蔵庫という便利なものはありませんでした。
ですので、昔は野菜を保存するために塩漬けにしていました。
そして保存した野菜にはうま味が増していて『長期間寝かせると美味しくなる』ということも重なり『お漬物』が広がりました。
野菜の保存期間のうちに乳酸菌が入り込み野菜の糖分を分解してうま味を引き出します。
いわゆる『発酵』をしたのです。
発酵漬物が近年健康食として注目されつつありますが、それは、植物性乳酸菌です。
乳酸菌には動物性と植物性があり、植物性は生きたまま腸まで到達し腸内環境を整えてくれます。
漬物や味噌、醤油にのみ発生するのが『植物性乳酸菌』です。

お漬け物は、野菜から水分が抜け柔らかくなるため不足しがちな野菜などをたくさん食べられます。
種類により少なくなるビタミンもありますが、栄養分の減少が少ないため野菜のもつ栄養素・植物繊維が効率よく摂れます。
さらにアルカリ性の漬物は血液をサラサラに保つ働きがあります。
当然ノンオイルですので、脂肪の心配もありません。
また、夏バテや食欲不振の時には適度な塩味と旨味が食欲増進を促してくれます。

そんな万能食・お漬物は、そのままで食卓の一品として、お酒のお供にも、重宝されています。
時には、お漬物をお料理に取り入れてみませんか?とっても意外なオドロキの味に出会えるかもしれます。